生物多様性とビジネス
企業活動においての原料調達や生産工程に大きく影響を及ぼすこととなってきた生物多様性の重要性に気付いている企業は決して多くありません。2010年名古屋で開催される国際生物多様性条約会議は自然保護だけでなく私たちの生活に大きく影響を与える自然資源、遺伝資源などを経済的に持続可能に利用していくための様々な国際的な取り組みが議論されます。

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ムービータイトル

生物多様性と人間の共生を考える(6'03'')

経済・ビジネスを支えている"生物多様性"、"生態 系"とは?

著作者:日本生態系協会・住友信託銀行

アースキーパー

日本生態系協会
日本生態系協会(ECO-JAPAN)は、1992年に全国各地で活動している環境保護団体の結束のもとに設立されました。国内外の諸団体との交流をすすめ、自然と調和した国土利用に関する提言活動、調査・研究、普及啓発などを行うことによって、より豊かな自然を将来世代に手渡すことができる社会づくりに貢献している。
http://www.ecosys.or.jp/eco-japan/

生物多様性と人間の共生を考える

2009.10.02

地球上で工業文明が始まってから約200年。一部の人間だけが、異常なまでの物質的な豊かさを手に入れた一方で、大量生産・大量消費・大量廃棄を繰り返した結果、わたしたちは自然の生態系を著しく破壊してきました。このまま自然の生態系が壊され続けていけば、経済は莫大な損失や被害をうけ、今の社会は崩壊するといわれています。なぜなら、生態系や生物の多様性は、人間の生存基盤であり、私たちの暮らす経済や社会そのものを支えているからです。たとえば、米や麦や野菜などの品種改良には多様な野草が必要とします。また、新しい抗生物質などの薬の開発は、土壌内にある菌類の遺伝子の多様性が支えています。空気や水の浄化、土壌の形成も、複雑につながった自然生態系によって培われています。まさしく、健全な生態系なくして、健全な社会はありえないのです。
世界では約20年前、持続可能な社会へと方向転換をするために、地球の温暖化を食い止めることと同時に、生態系と生物の多様性を守ること、つまり野生生物の減少や絶滅をくいとめ、それぞれの遺伝子を守り取り戻していくことを国同士で約束する条約を結びました。それが、通称・生物多様性条約と呼ばれ、日本もこの条約に加盟しています。
そして来年、この約束をどれだけ守れたか、つまりどれだけ野生生物を守り取り戻してきたかという成果を発表する国際会議(COP10)が、日本の愛知県で行われ、日本が議長国という大役を任されています。
生態系と生物の多様性を守るということは、一種類の生きものを守ることではなく、生きものが暮らす自然の土地を将来にわたり守ることに他なりません。また、生きものの遺伝子は地域によって違うため、日本全国の市町村をはじめ、各地域それぞれの自然をそれぞれで守らなければ意味がないのです。
つまり一番の効果的な方法は、いい自然や、いい自然を取り戻すべき土地を買い取ることです。実際に今世界各国は、使われなくなった農地などの土地を買い取って自然を大量に再生しています。日本でも、来年の国際会議の開催国として、それぞれの地域で必要な土地を買い取り、森や川を再生して自然を取り戻していく姿を世界に示す必要があります。健全な生態系と生物の多様性を守ることが、健全な社会を形成する-このことは、今や世界の常識なのです。

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シンクマイライフ

高度経済成長と近代工業文明によりもたらされた、大量生産・大量消費・大量廃棄は、私たちの地球の仲間である生き物や植物のいのちを奪っているのです。生物のいのちが失われる事により、私たちが生活していく上で被るその影響を考えてみましょう。

筆者

池谷奉文

財団法人日本生態系協会 会長

1978年埼玉県で環境団体を立ち上げ会長に就任。その後、美しいくにづくり、まちづくりのシンクタンク、財団法人日本生態系協会を設立。自然再生専門家会議委員、河川水辺の国勢調査アドバイザーなどを努める。著書は、「美しいくにをつくる新知識」(ぎょうせい、2007)「環境を守る最新知識 第2版」(信山社、2006)、「学校・園庭ビオトープ-考え方・つくり方・使い方」(講談社、2008)等がある。

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